銀行はなぜ破綻するの?妻の疑問を調べてみた!
2023年3月20日銀行破綻で株価急落?!
「銀行はなぜ破綻するの?」
それは妻の何でもない一言から始まりました。
我が家では金融に関する意識を上げるため、少額ながら株式投資を始めました。
妻はインデックス投資、私は高配当株投資に分かれて、それぞれ運用しています。
株式投資を始めてから、妻の金融リテラシーは大きく変わりました。
つい最近まで「株って何?」と言ってた妻が、今では「S&P500」「オールカントリー」という言葉を日常的に口にするようになりました。
そんな折、いつかは必ず訪れるであろう、株価暴落の予兆とも思える出来事がありました。
「シリコンバレー銀行 経営破綻!」
今後、この出来事がどのように推移するかは分かりません。
ですが、予想どおり株価は急落しました。
そうは言っても、株価に一喜一憂しないで済むように始めた我が家の株式投資。
実際の影響は、まだまだ大したことはありません。
そんな時、妻からとてもシンプルに聞かれた質問が「銀行はなぜ破綻するのか」でした。
「そんなの預金者に返すお金が無くなったからでしょう」とは思ったものの、改めて考えると、私も詳しくは理解していないかもと気づきました。
そこで、今回はこの問題について、詳しく調べてみようと思います。
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銀行の仕組み
そもそも、銀行とはどんな仕事をしているのでしょうか?
ここでは仕組みをシンプルに説明してみます。
まず、銀行は個人や企業から預金をしてもらいます。
そして、そこで得たお金を個人や企業に貸すというのが、銀行の主な仕事です。
個人や企業に貸したお金と、預金にはそれぞれ利子が発生します。
この時、貸したお金の利子と預金に支払う利子の差額が、銀行の利益となるわけです。
銀行の預金は基本的には個人や企業が求めれば、いつでも引き出すことが可能です。
しかし、銀行が個人や企業に貸したお金は、契約条件に基づいた期間でしか回収できません。
そんな時、預金していた個人や企業が、一斉に預金を引き出そうとしたらどうなるでしょうか?
銀行は借りたお金を貸しているのですから、預金の100%を持っていません。
そうすると、預金者に返すお金がなくなり、正常に営業できなくなるのが基本的な破綻の仕組みです。
銀行は現金を持っていない?
それでは、銀行はどのくらいの現金を、自分たちに残しているものなのでしょうか?
その数字を知る一つの指標が「預貸率」です。
預貸率とは、銀行が集めた預金のうち、どれくらいが貸付されているかを表します。
その計算式は、「貸出金÷(預金+譲渡性預金)×100(%)」となっています。
2022年3月期の国内106銀行の預貸率は61.9%(前年62.1%)で、リーマン・ショック前の2008年以降で最低を記録した。また、預金と貸出金の差を示す預貸ギャップは、362兆6,373億円に拡大した。
東京商工リサーチ 『2022年3月期 預貸率』調査 国内106銀行(単独決算)
簡単に言うと、銀行預金の約62%は貸し付けているということ。
そうすると手元に残っているのは、約38%ということになります。
おそらく、実際にはこれほどシンプルな話ではないと思います。
ですが、私たちの想像ほどは、銀行の手元に現金は残っていないようです。
シリコンバレー銀行が破綻した理由
さて、近頃話題になっている経営破綻した「シリコンバレー銀行」。
その主な理由は何だったのでしょうか?
とりあえず、こちらの動画で勉強してみました。
①投資の失敗
一つ目の理由は、シリコンバレー銀行が購入した有価証券の価格が下落したことです。
思い切り単純に説明すると、以下のような流れです。
- コロナ対策で大量のお金が市場に投入された
- シリコンバレー銀行の預金額も急激に増加
- 増えた預金をシリコンバレー銀行は有価証券に投資
- その後、米国は大幅なインフレーションに!
- インフレを抑制するためにFRB(米国の中央銀行)が金利をアップさせる
- 金利のアップで貯金の魅力が高まる
- 相対的にシリコンバレー銀行が保有する有価証券の価値が下落
難しい言葉がいくつか出てきましたが、簡単にまとめると「投資に失敗した」ということでしょう。
②スタートアップが現金を引き出した
スタートアップとは、「誰もが考えつかないアイデアで市場を開拓し、そして短期で急成長をする企業」と定義されている企業。
ここもざっくり言ってしまうと、ハイリスクハイリターンで急成長を目指す企業というところでしょうか。
そのスタートアップが、シリコンバレー銀行の顧客には多かったそうです。
実は、昨今の競争激化で、スタートアップの経営環境があまり良くなかったとのこと。
そこで、運営資金確保などの目的で、スタートアップが大量に預金を引き出そうとしたそうです。
銀行破綻を招く最大の原因
先ほど、シリコンバレー銀行が破綻した理由を2つ説明しました。
しかし、これらの理由はあくまで「きっかけ」でしかありません。
実は、銀行破綻を招く最大の理由は、「不安」です。
あるきっかけから銀行への「不安」が起こると、多くの人が自分の預金だけは何とか守ろうと考えます。
そうすると、一気に多くの人が預金を引き出すため、銀行の手持ち金はすぐに底をついてしまいます。
実は、この「不安」が独り歩きし、経営に問題のなかった銀行が倒産危機に陥った事件があります。
それが、1973年に起きた「豊川信用金庫事件」です。
この事件では、女子高生の「信用金庫は危ないよ」という雑談に尾ひれがついて、銀行に多くの預金者が殺到する事件となりました。
参照:ウィキペディア「豊川信用金庫事件」
このような「不安」によって多くの人が「自分だけは」と行動することが、銀行が破綻する最大の原因と言えるかもしれません。
まとめ
ここまで、銀行が破綻する理由を解説しました。
最も大きな原因が、人々の「不安」というところが、何とも不思議な気がします。
ですが、よくよく考えると、私たちの社会は「信用」によって成り立っています。
社会を支えている信用が揺らいでしまえば、私たちは今のような生活はできないということです。
これは見方を変えると、一人一人に対しても「信用」が求められている。
その信用の大切さをしっかりと理解して、行動することが求められているのかもしれませんね。
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