生活レベルを下げる苦しみ!地位財に気を付けよう
2022年10月15日生活レベルを下げた過去
みなさんは生活レベルを下げる苦しみ、体験したことがありますか?
私は一度、借金返済のために生活レベルを大きく下げた経験があります。
サラリーマン時代にはかなりの年収をもらっていたこともあり、自宅として新築マンションを購入。
当時は妻と2人暮らしだったので、金銭的には豊かな生活を過ごしていました。
その後、諸々の事情があり、私は起業することに。
ですが、事業がうまくいかず、借金返済に追われるようになりました。
そうなると、これまでの生活レベルを維持するのは不可能になり、住むところをはじめ、生活レベルがみるみる下がっていきました。
ついこの前までは週に何度も外食していた自分。
それが、今では自販機で缶コーヒーを買うこともためらうような状況に。
唯一の外食は「100円マック」という状況でした。
その当時は朝起きてから寝るまで、大半の時間を資金繰りのことで悩んでいました。
そして、毎月何度か訪れる支払日が近づくと、方々に頭を下げて金策している状況でした。
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年収が増えると支出も増える
もともと私は家などの住環境に、それほどこだわりを持っていませんでした。
部屋は最低限のスペースがあれば良い。
別にグルメなわけでもなく、キッチンに対するこだわり(関心?)もなし。
ファッションには、ほとんど無関心という状態でした。
パートナーと一緒に生活するようになってからも、特段、贅沢をするわけではありませんでした。
結婚資金も親にお金を出してもらうといろいろ揉めるので、二人だけで貯蓄。
一緒に暮らし始めてからは、贅沢ではないけれどそれなりに楽しい生活を送っていました。
その生活が少しずつ変化してきたのは、私の年収が大きくアップし始めたことがきっかけでした。
ある時期、私は会社で役職につき、そこから急激に収入が増えました。
当時は2年くらいの間に、年収が2倍以上になったと思います。
ですが、急激な年収アップの代わりに仕事のプレッシャーは増大し、私の精神は少しずつ病んでいきました。
当時は子供がいたわけではないので、夫婦2人には充分すぎる収入でした。
ですが、そこからマンション購入、外食や買い物の増加。
果てはストレス解消のためにギャンブルにはまる始末。
振り返ると、本当にもったいないことをしたなと思います。
ですが、まだまだ人として未熟だった私には、こうすることしかできなかったのでしょう。
生活レベルを下げる一番の苦しみとは?
生活レベルを下げることにはいろいろな苦しみがあります。
住む場所が狭くなる、快適な環境がなくなる、外食ができない…。
ですが、これらの生活環境が変わることは、本音で言うとそれほど苦しくはありませんでした。
何よりも一番苦しかったのは、「みじめさ」。
頑張って働いているのに「缶コーヒー」すら買えない自分。
自分が役立たずで、世の中から必要とされてない感覚が本当に苦しかったです。
私ですらそう感じていたのですから、妻はもっとみじめな思いをしていたでしょう。
まして、私がみじめさを感じるのは自己責任ですが、妻は私に振り回されている状況。
彼女にしてみれば、納得できないことが多々あったと思います。
この「みじめさ」はそれまでの人生で体験したことがない、衝撃的な体験でした。
それまでも辛いことは色々ありました。
ですが、「生きている価値があるのかな…」と考えたのは、いまだにこの時だけです。
よく経済的には破綻しているのに、見栄を張って派手な生活をする人の話を聞いたことがありませんか?
生活レベルが高くないときの自分は「何で無理してお金使うの?」と思っていました。
幸い、私の場合は生活レベルを下げられましたが、下げたくない人の気持ちはよく分かります。
贅沢をしたいわけではないのです。
自分の価値を感じられない現実から逃げたい!
その気持ちが、見栄を張る落とし穴にはまってしまうのです。
苦しみの原因「地位財」
私たちは、「自分が幸せになるため」にお金を使っているはずです。
ですが振り返ってみると、私は本当にお金を使って幸せになれたのでしょうか?
例えば、新築マンション。
確かに購入したことにより、広くて快適な環境を手に入れられました。
ですが、本当に自分が喜んでいたのかと思うと、正直、それほどではなかった気がします。
今は当時よりも狭い部屋に住んでいますが、住環境に関する満足度はそれほど変わりません。
むしろ、夫婦仲が良くなった今の方が「家に帰りたい」という思いは強くなりました。
なぜ、私は新築マンションに強い満足度を感じられなかったのか?
それなのに、人生最大ともいえるお金を支払ったのか?
それは私にとって、新築マンションは「地位財」だったからだと思います。
地位財とは、他人との比較優位によって価値が生じるもの。
私の場合は新築マンションでしたが、人によっては所得(お金)、貯蓄額、社会的地位、クルマ、ファッション、ブランド、マイホームなどが該当します。
「自分は他人よりも優れている!」
そう実感したいために手に入れようとするのが「地位財」。
地位財はある意味、自尊心を満たす有効な手段の一つです。
ですが、そこにはとても大きな落とし穴があります。
地位財の問題点
他人と比較することで、自尊心を満たせる「地位財」。
確かに地位財を手に入れたときは、とても強烈な幸福感を得られます。
ですが、地位財で得られる幸福には、大きな問題点が二つあります。
①幸福感が長続きしない
地位財の幸福感は、あくまで他人との比較でしか価値を感じられません。
簡単に言うと、「他人から褒められたい」という感情です。
そこで、自分が誰かから褒められたときのことを考えてみましょう。
あなたが数学のテストで100点を取った。
最初に褒められたときは、とてもうれしく感じるでしょう。
ですが、同じ内容で同じ人から何度も褒められることを考えてみましょう。
おそらく、回数を重ねるほど、満足感は下がっていくでしょう。
このように、地位財で得られる幸福度は時間とともに急速に下がっていきます。
②比較対象によって変わる
地位財の価値は相対比較です。
自分が手にしたものだけでその価値は決まりません。
例えば、あなたが「高級車」の価値を求めて、700万円のクルマを手に入れたとします。
このクルマが地位財としてどれだけの価値を持つかは、比較する相手によって決まります。
比較相手が200万円のクルマであれば、あなたはかなりの優越感を得られるでしょう。
ですが、相手が2000万円のクルマを持っていた場合、むしろあなたは劣等感を抱きます。
不思議なもので収入が変化すると、いつの間にか接する人間関係が変わってきます。
特に外目から判断しやすい地位財を持つと、本人の意思とは関係なく新しい人と接するようになります。
そして多くの場合、新しく接する人はこれまでよりも高価な「地位財」を持っているものです。
そうすると、これまでの人間関係であれば感じられていた優越感が、新しい人間関係では感じられなくなります。
気がつくと、周りは2000万円クラスのクルマばかりになったりするのです。
すると、700万円のクルマはあなたにとってマイナスの価値しか与えなくなります。
地位財に待ち受ける罠
このように地位財から得られる幸福感は「長続きしない」「比較対象によって変わる」という問題点があります。
そのため、地位財の罠にはまると、人はより強烈な幸福感を求めて、延々とお金を費やすことになります。
そして、もう一つ待ち受ける罠は、生活レベルを下げるときにやってきます。
例えばクルマのケース。
700万円のクルマを買う前は、200万円のクルマに乗っていたとします。
周りも200万円くらいのクルマに乗っていたのであれば、優越感はないものの劣等感を抱くことはありません。
ですが、700万円のクルマを手放して200万円のクルマに乗り換えるときは、同じクルマに乗ってもとてつもない劣等感を抱く可能性があります。
自分を幸せにしてくれるはずの地位財は、状況によっては自分を苦しめてしまう。
そのような罠が、地位財には待ち受けています。
生活レベルを上げない工夫
生活レベルを下げるときに苦しまないにはどうすれば良いのか?
その有効な手段は「地位財にお金を費やさない」。
簡単に言えば、「生活レベルを不必要に上げない」ことです。
実際、私自身も年収が高いときは、不必要に生活レベルを上げていました。
住居、飲食、交通費(タクシーの使い過ぎ)、遊興費(ギャンブル)…。
今では、「一体、何にお金を費やしていたのやら…」と思ってしまいます。
生活レベルを下げるときは、自尊心の崩壊というとてつもない恐怖が訪れます。
ですが、それは自分の心の中にある虚構にすぎません。
「生活レベルが下がる自分は、周りからみじめに思われるのではないか…」
そんな心配は無用です。
あなたが思うほど、他人はあなたのことに関心がありません。
もし、実際に生活レベルが下がるあなたを見て喜んでいる人がいたら、そのような人とは関係を切れば良いだけです。
生活レベルで相手を判断するような人とは、関係を持たない方が賢明です。
そうしないと、いつの間にか「地位財の罠」にはまってしまうかもしれません。
生活レベルを下げた先に見つけたもの
年収が高かった時代と様変わりして、今では安い部屋に住んでいます。
飲食もたまにファミレスで食べる程度で、移動は健康も兼ねてできるだけ徒歩となりました。
おかげさまで体重が27kgも痩せて、健康診断の結果もすこぶる良くなりました。
パートナーとの関係も、以前よりはるかに良い関係になっています。
もちろん多少のケンカは今でもありますが、以前のようなギスギス感はなくなりました。
今となっては、あの時に生活レベルを下げることができて、本当に良かったと感じています。
夫婦にとってお金はとても大切です。
ですが、いくらお金がたくさんあっても、使い方を間違えたらかえって関係は悪くなります。
もし、今欲しいものがあるのならば、それはあなたにとって「地位財」か「非地位財」かをよく考えてみましょう。
そして、欲しいものがもし「地位財」だったら、もう一度購入すべきか考えてみてください。
その先には、「地位財の罠」が待ち受けているかもしれませんよ。
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投稿者プロフィール
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男と女のすれ違いは、お互いの違いや特徴を理解できていないことが大きな原因。一緒に理解していければ、きっと心は近づいていきます。
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